ルミナス~双子の王女と7人の騎士団長~
「あんたは…オニキスの本当の力を知っていて使っているの?」



「うん、間違いなくこのままだと死ぬね」




「どうしてそこまでわかってて手に入れたの?」




「んー元々病気で先は長くない。

なら、最後この国を豊かにしてから逝くのもありだなあって。」




私の頭を撫でながら、淡々と話すバルトラ。
本当に私を大事にしているような扱いで調子が狂ってしまう。



「国を豊かにするって?」




「言葉通りだよ。ここに来る時に見たでしょ?

国境を越えた先のうちの国は明らかに空気が違ったはず。
作物は荒れ果て、家も空き家のような古い作り。

人々は自滅し衰えていく一方。」




「それなら、話し合いをすればオニキスに手を出すことも、病気を治す事だってできるのにどうしてこんな方法を?」




「お前の父親が敵国の俺と話し合いで解決するとでも?」




「それは…」

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