ルミナス~双子の王女と7人の騎士団長~
あの国王が確かに敵国の案を飲み込むはずがない。

言葉の続きを飲み込んで彼が話すのを待つ。




「ルミナスが目覚める前に、オニキスの力で叩き込めば欲しいものが手に入る。

デスラストにとって魔法石は生きていく上で大切なもの。
お前たちが、当たり前に使っているように。」




「それなら、私があの国王と交渉をするから待って。

無駄な争いで命を奪い合う必要はない。」




「もう、遅い。オニキスは既に俺の身体を蝕んでいる。

悪役らしく欲しいものは自分で奪うまで。

俺がいなくなっても、お前と俺の子が引き継がせれば何も問題ないでしょ。」





悪役らしく接するなら人々のためとか、言わないでよ…っ。



悪役は絶対の力を自分のために使う。
自分の命を犠牲にしてまで人のために頑張れない。



うちの国王のように。



「私は、こんな方法は認めない。

あんたも、自分の国の人々も誰も死なない道を選ぶ。

災いを齎すと言われても…私のできることをする。」

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