ルミナス~双子の王女と7人の騎士団長~
「やっと見つけた!ジェラルド!!」


フロイドの声が聞こえて振り向くと、やっぱりアランも一緒だった。


「おや、見つけるのが早いな。
それよりジャックをどうにかしてくれないか?」


「お前がまいた種だろ。
ジャック、俺が叱っておくからその辺にしておけ。」


フロイドの言葉に、剣を振り回していた腕を下ろす。


「ふぅ、助かった。
てことで退散するとしよう。」


「2度も同じ手にかかるかよ。」


私に目掛けて走ってくるジェラルドの前に、アランが庇うように入る。


「ジェラルド、俺と一緒に来てもらおうか。」


フロイドに肩を掴まれて、私たちから離れていくジェラルド。


嵐が去った……。

とんでもない人だった、特にあの人は必要以上に絡んではいけないと身に染みた。


「ジェラルドが悪かったな。」


そういうのは、私の部屋まで送ってくれているアラン。

正確にはついて来た。


「別に。
でも、新鮮で良かった。」


これは素直な気持ち。


人と関わって来なかった私には、あんな光景を見たことがなかった。



「そうか、なら良かった。
だが、あいつは人を巻き込んで自分のペースにする。

嫌な予感がしたらすぐ逃げろ。」


「そう言われても、外から鍵開けて入ってきたらどうしようもないでしょ。」


「あいつ、ルチアの部屋まで入ったのか!?」


あの人から、逃げるってかなり大変そう。

無反応が1番なのかもしれない。


次あったら、絶対に無反応を貫き通す。
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