ルミナス~双子の王女と7人の騎士団長~
歴史についての本が高い位置にあって、届かなかった。


前は、台のようなものがあったはずなんだけど見つからない。


「この本でいい?」


背後から色気のある声がすると同時に、私が届かなくて手を伸ばしていた本を取ってくれた。


「ありがとう。助かったわ。」


「どういたしましてルチア様?
これで貸しひとつね。」


振り返ると、薄い唇がニンマリと弧を描く。


嫌な予感がする。ジェラルド並に。


「取ってくれたことはありがとう。
でも、私に関わらない方がいい。」


「ルチア様逃げるの?」


急いでこの場から去ろうとしたけど、彼の一言でピタッと足が止まる。
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