ルミナス~双子の王女と7人の騎士団長~
昔はこの温もりが好きだった。



母と妹にいつも抱きついてたっけ?



温もりは好きだった。
落ち着くし、安心できるから。



「………ア。」



でも、今は気持ち悪いと思ってた。
すぐに冷たくなってしまうから。


最後に母に触れた温度が忘れられない。


「……チア。」


人はこんなにも冷たくなってしまうしまうのだと。



それなのに私は今、落ち着いてしまっている。



「おい!ルチア!」



「ちょっと!そんな耳元で大きな声出さないでよ。」



「さっきから呼んでた。」



「考え事してた。何?」



だめだ。


何も考えないようにしよう。



目的の場所に無事着いたらしく、私は数十分ぶりに地面に足がつく。



「ここがルベライト軍の練習場だ。」



扉を開くと、中には想像を超える人が模擬用の刀を振っていた。


練習場は、熱気と喧騒に包まれている。



「思った以上にしっかりしてるのね。
あんた達は、各々軍を指示しているの?」



「基本はな。

あの7人の中では、ジャックが1番剣術に長けていてな。
魔力なしだと、圧倒的に強くて負けたところ見たことないぐらいだ。

だから、あいつに軍を任せてるやつもいる。」
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