フォンダンショコラな恋人
「何飲む?僕はビールにするけど、翠咲は?」
「あ、イチゴミルク酎ハイで!」
「すごい酎ハイだよな。」


イチゴミルク酎ハイのピンクのパッケージを手にして、倉橋は微妙な顔をしている。

「あははー、ですねっ!」
ソファに座っても、翠咲はどうしたらいいのか分からない。

ていうか、恋愛してなさすぎて、どうしたらいいんだっけ?
自分がどういう行動を取ればいいのか分からない!!

首元に冷たい缶が当てられた。
「ひゃあっ!!」
「何考えてる?」
倉橋は見透かしたような笑顔だ。

もう!変な声が出てしまったよ!

けれど、おかげで妙な力が抜けたことも間違いはない。

翠咲は倉橋から缶を受け取った。
一緒にグラスを差し出してくれたけれど、首を横に振る。

翠咲がプルタブを引くと、プシュッという音がリビングに響く。
倉橋も横に座って、ビールに口をつけていた。

そうして、翠咲をじいっと見る。
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