フォンダンショコラな恋人
その顔があまりにも色気を孕んでいて、見たことのない顔でつい見たくなってしまう。
そんな顔を見たら、自分だって昂ってしまうのに。

視線を合わせてキスをするって、そういうこと?

お互い感じているのだと、相手に伝わるような行為?

くちゅ……という音まで聞こえて、恥ずかしくて、目を伏せたら、
「翠咲……だめ」
と耳元を指で撫でられた。

「ん……っ」
口の中をまるで探るような、どこにも逃げることは許さないようなキスをして、陽平が感じているところまでつぶさに目にして、翠咲は自分も熱を持つのが分かった。

ちゅ……と音を立てて、緩やかに唇が離れる。
「どうだった……?」
「ん?」

「視線が絡むキスって、エロくないか?」
「うん……」

「嫌?」
翠咲は顔を赤くして首を横に振る。

嫌ではなかった。
むしろ、今まで感じたことがないくらい気持ち良かったし、すごく良かった。

そういえば、前にも同じようなことを思った気がする。
< 137 / 231 >

この作品をシェア

pagetop