フォンダンショコラな恋人
それは陽平自身も仕事に対してそういうスタンスだから理解出来ることなのだろうと思うと、気が楽なのも間違いないし、それに仕事をする陽平を初めて見たけれど。

──文句なしに、本当に顔がいいんだよなぁ……。
「翠咲、仕事いいのか?」
つい、ちらちらと陽平を見てしまっていた翠咲に目線も向けずに陽平はそう声をかける。

わあ!見られていたよ。

けれど、仕事自体は目処がついていて、むしろそろそろ終わろうと思っているけれど、陽平はどうなんだろうかと思っていたから。

「私はそろそろ終わりそう。陽平さんは?」
「んー、もうちょっとかな」

「分かった。じゃあ。私も資料を少し確認しようかな」

「パソコン?」
「ううん。紙資料。ライン引いたり、ちょっとチェックしながら見たいし、後日後輩にフィードバックしなくちゃいけないから」

「ん」
陽平が自分の横をポンポンと叩く。
ここへ来い、ということなのだろう。

デスクトップを翠咲が借りてしまっていたので、陽平はリビングテーブルでノートパソコンを広げて作業していたのだ。
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