フォンダンショコラな恋人
翠咲も台風災害は何度か経験があるので分かっている手順なのではあるけれど、いつも気持ちが引き締まる。
ミーティングスペースから打合せを終えて出てくると、エレベーター前に渡真利と倉橋の姿が見えた。
月に2回の定期訪問の日だったようだ。
「お疲れ様です」
沢村が弁護士の二人に声を掛ける。
「お疲れ様です。いやー、大変そうですね。あっちもこっちも殺気立っていて」
他の部署に行っていた様子の渡真利が苦笑している。
沢村はそれに笑顔を返していた。
「台風が来ますからね」
「分かってはいても、頭が下がる」
「後手に回っては意味がないですから」
そんな渡真利と沢村の会話をなんとなく聞いていた翠咲だったのだが、無表情な倉橋に
「ちょっといいですか」
と呼ばれた。
「はい」
倉橋にはエレベーターホールから少し離れた場所に連れて行かれる。
「忙しそうだな?」
「そうね、対策室が立ち上がっているから。でも、すぐじゃないのよ。通り過ぎたあと、一斉に対応が始まるって感じ」
「早くから対応するものなんだな」
ミーティングスペースから打合せを終えて出てくると、エレベーター前に渡真利と倉橋の姿が見えた。
月に2回の定期訪問の日だったようだ。
「お疲れ様です」
沢村が弁護士の二人に声を掛ける。
「お疲れ様です。いやー、大変そうですね。あっちもこっちも殺気立っていて」
他の部署に行っていた様子の渡真利が苦笑している。
沢村はそれに笑顔を返していた。
「台風が来ますからね」
「分かってはいても、頭が下がる」
「後手に回っては意味がないですから」
そんな渡真利と沢村の会話をなんとなく聞いていた翠咲だったのだが、無表情な倉橋に
「ちょっといいですか」
と呼ばれた。
「はい」
倉橋にはエレベーターホールから少し離れた場所に連れて行かれる。
「忙しそうだな?」
「そうね、対策室が立ち上がっているから。でも、すぐじゃないのよ。通り過ぎたあと、一斉に対応が始まるって感じ」
「早くから対応するものなんだな」