フォンダンショコラな恋人
「そうなのよ!」
「聞いてないって仰っていたけど、あなたが今日ここに来るお話はしてあるのかしら?」
ぐっ……と彼女は黙り込んだ。
──なるほどねー、してないわけね。
「でもっ……私は妹だもの。ちゃんと合鍵も持ってるわ」
「妹さん、初めまして。私は宝条翠咲っていいます。倉橋先生に今日はこちらに来るように言われてここにいるのよ。良かったら、電話して確認してみて?」
そう言って翠咲はにっこり笑った。
「どういう関係なの?」
「それは倉橋先生にご自身でお伺いしたほうがいいんじゃないかな。私から言うことじゃないと思いますよ」
「っ……あなたっ……! すっごく可愛くないわっ!」
彼女が思わずそう叫んだのと、ドアが開いたのがほぼ同時だった。
翠咲は陽平が怒りでむっとしているのを初めて見たのだ。
「愛梨沙、今すぐ謝って鍵を出して」
「お兄ちゃんっ!だって……」
「僕が今お付き合いしている人だよ。こんなに可愛いのに……」
え?いや、そこ?
「お前の叫び声が廊下にまで聞こえていた。名誉毀損だぞ」
「聞いてないって仰っていたけど、あなたが今日ここに来るお話はしてあるのかしら?」
ぐっ……と彼女は黙り込んだ。
──なるほどねー、してないわけね。
「でもっ……私は妹だもの。ちゃんと合鍵も持ってるわ」
「妹さん、初めまして。私は宝条翠咲っていいます。倉橋先生に今日はこちらに来るように言われてここにいるのよ。良かったら、電話して確認してみて?」
そう言って翠咲はにっこり笑った。
「どういう関係なの?」
「それは倉橋先生にご自身でお伺いしたほうがいいんじゃないかな。私から言うことじゃないと思いますよ」
「っ……あなたっ……! すっごく可愛くないわっ!」
彼女が思わずそう叫んだのと、ドアが開いたのがほぼ同時だった。
翠咲は陽平が怒りでむっとしているのを初めて見たのだ。
「愛梨沙、今すぐ謝って鍵を出して」
「お兄ちゃんっ!だって……」
「僕が今お付き合いしている人だよ。こんなに可愛いのに……」
え?いや、そこ?
「お前の叫び声が廊下にまで聞こえていた。名誉毀損だぞ」