フォンダンショコラな恋人
「買い被りすぎだよ」
10分程度の移動でタクシーを降り、コンビニに入った翠咲は、食べ物をカゴの中に入れていく。
『こっちがしんどいな……って思うときに欲しい言葉をくれるのは優しさだと思う』
そんな風にしたつもりはない。
思い当たることがあるとするならば、お客様に対応するときはそうだ。
辛い思いをしているだろう先方にかける言葉なんて、優しくあるべきだと思うから。
翠咲は軽くため息をついた。
「あのね、最初の質問に答えるね。今、お付き合いしてる。あの無表情な弁護士と」
『ハッキリ言うんだな』
「本当なら言わなくていいことだと思うけど、隼人が聞くから」
『あーもうマジかよ、本当に翠咲と付き合いたいって思ったのに』
話をしながらも、翠咲は商品をどんどんカゴに入れていく。
「何言ってんのよ。今までそんなこと言わなかったくせして。いい?今は災害対策本部にいて心が弱ってるの。そういう時は本当に気をつけなさいね」
『何に……?』
「付け込まれるわよ。そうして結婚してきた先輩をいーっぱい知ってるから」
10分程度の移動でタクシーを降り、コンビニに入った翠咲は、食べ物をカゴの中に入れていく。
『こっちがしんどいな……って思うときに欲しい言葉をくれるのは優しさだと思う』
そんな風にしたつもりはない。
思い当たることがあるとするならば、お客様に対応するときはそうだ。
辛い思いをしているだろう先方にかける言葉なんて、優しくあるべきだと思うから。
翠咲は軽くため息をついた。
「あのね、最初の質問に答えるね。今、お付き合いしてる。あの無表情な弁護士と」
『ハッキリ言うんだな』
「本当なら言わなくていいことだと思うけど、隼人が聞くから」
『あーもうマジかよ、本当に翠咲と付き合いたいって思ったのに』
話をしながらも、翠咲は商品をどんどんカゴに入れていく。
「何言ってんのよ。今までそんなこと言わなかったくせして。いい?今は災害対策本部にいて心が弱ってるの。そういう時は本当に気をつけなさいね」
『何に……?』
「付け込まれるわよ。そうして結婚してきた先輩をいーっぱい知ってるから」