フォンダンショコラな恋人
Prolog.最悪な出会い
「では、その資料を見せて頂いていいですか?」
淡々とした、その言い方に宝条翠咲は手元の書類を差し出した。
彼と会うのは二度目だけれど、前回も今回も、淡々としたその表情を崩すことはない。
弁護士である彼は、翠咲の差し出した書類を受け取り、慣れた様子でペラペラとめくってゆく。
「正直、これでは難しいですね。完全に否定する事は出来ないので、お支払いするしかないのかと」
翠咲のここ数週間の頑張りを一刀両断で否定された。
「そんな、だって明らかじゃないですか!?これって詐欺じゃないんですか!?」
「詐欺と言い切るには証拠が不足している、と言う事です」
「充分に調査しました!」
打ち合わせスペースで、つい声を荒らげそうになる翠咲だ。
デスクを挟んで目の前に座っている弁護士の表情は一切揺らがない。
「これでは法廷で争えません」
「先生はどちらの味方なんです!?」
淡々とした、その言い方に宝条翠咲は手元の書類を差し出した。
彼と会うのは二度目だけれど、前回も今回も、淡々としたその表情を崩すことはない。
弁護士である彼は、翠咲の差し出した書類を受け取り、慣れた様子でペラペラとめくってゆく。
「正直、これでは難しいですね。完全に否定する事は出来ないので、お支払いするしかないのかと」
翠咲のここ数週間の頑張りを一刀両断で否定された。
「そんな、だって明らかじゃないですか!?これって詐欺じゃないんですか!?」
「詐欺と言い切るには証拠が不足している、と言う事です」
「充分に調査しました!」
打ち合わせスペースで、つい声を荒らげそうになる翠咲だ。
デスクを挟んで目の前に座っている弁護士の表情は一切揺らがない。
「これでは法廷で争えません」
「先生はどちらの味方なんです!?」