フォンダンショコラな恋人
目を伏せて話す晃希は、陽平にも負けず劣らずの整った顔立ちだ。

「へー、そうなんだー。大変だったね」
「うん」

その部活が活動出来なくなったのは、晃希のせいだと思わないのは、翠咲が晃希の顔に慣れ切った身内だからだ。

しかし、確か部活は晃希が好きで入学してまもなく自分で立ち上げたと翠咲は聞いていた。

「でも、部活って自分で立ち上げたんじゃないの?」
「まあ、継いでくれる部長もいるし、本格的にやろうと思うと部活では難しいかなって」

「ゲームだっけ?」
「eスポーツ。今はチームに入ってる」

eスポーツとは、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉えるものだ。

中学生くらいからゲームが好きだと聞いてはいたけれど、そこまでだとは思わなかった翠咲である。

晃希も最初は部活でやっていたけれども、今はチームに所属しているということらしい。

野球にしても、サッカーにしても、チームに所属できる選手など、ひと握りだ。
晃希はその中のひと握りなのだろう。
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