フォンダンショコラな恋人
しかし、当の本人はアイスココアフロートなどという、甘さの極みみたいなメニューを頼みながらズボンのポケットからスマホを出し、写真を撮っている。

とても、そんなすごい選手には見えない。
「インスタとかいうやつかな?」
「俺はツイッターだけど。チームからたまにはプライベートもツイートしろと言われていて。でも俺そういうの苦手だからさ」

なるほどー。んんー?なんか最近そういう話あったな……。

「ごめん、愛梨沙が新規の契約が入ったみたいで、また契約書を確認して欲しいとかで」
そう言って戻ってきた陽平を見て、翠咲は気づいたのだ。

「あ、愛梨沙ちゃんだ!」

──何のこと?
男子2人は首を傾げていた。

「愛梨沙ちゃん、家に来る?」
「あ……うん」

「晃希は? この後予定入っているの?」
「いや……試合は今日は21時かららしいから平気、けど……?」

「陽平さん、愛梨沙ちゃんに晃希を紹介してもいい?」
どうせいつの日か紹介しなくてはいけないのだ。
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