フォンダンショコラな恋人
「いや。宝条さんも慣れないことでお疲れ様だったね」
「いろいろ勉強になりました」
そこに、陽平が合流する。
「翠咲、ごめん。帰ろうと思ったんだけれど、知り合いに声をかけられてしまった。司法修習生の時の同期なんだ」
翠咲は少し前に駅からほど近い、陽平と一緒に探したマンションの方に引越しを済ませている。
「大丈夫よ。先に帰ってるね」
「うん。後で連絡する」
陽平に向かってにこりと笑った翠咲は、渡真利と陽平の2人に頭を下げて、くるりと背を向けた。
その後ろ姿を見送る陽平を、渡真利はじっと見ている。
「なんですか?」
「いや、カップルらしくなるもんなんだなぁ、と」
「はあ?」
何を言い出すのか、訳が分からない。
そんな顔をしている陽平だ。
──いやー、翠咲ちゃん以外には相変わらずの塩対応て……。
それでも、どれだけモテても事実でしか対応しない倉橋に恋人が出来て、またそれが事実のみを判断する翠咲だったのは、良かったと渡真利は思っていた。
お似合いの二人だ。
「いろいろ勉強になりました」
そこに、陽平が合流する。
「翠咲、ごめん。帰ろうと思ったんだけれど、知り合いに声をかけられてしまった。司法修習生の時の同期なんだ」
翠咲は少し前に駅からほど近い、陽平と一緒に探したマンションの方に引越しを済ませている。
「大丈夫よ。先に帰ってるね」
「うん。後で連絡する」
陽平に向かってにこりと笑った翠咲は、渡真利と陽平の2人に頭を下げて、くるりと背を向けた。
その後ろ姿を見送る陽平を、渡真利はじっと見ている。
「なんですか?」
「いや、カップルらしくなるもんなんだなぁ、と」
「はあ?」
何を言い出すのか、訳が分からない。
そんな顔をしている陽平だ。
──いやー、翠咲ちゃん以外には相変わらずの塩対応て……。
それでも、どれだけモテても事実でしか対応しない倉橋に恋人が出来て、またそれが事実のみを判断する翠咲だったのは、良かったと渡真利は思っていた。
お似合いの二人だ。