フォンダンショコラな恋人
「先生、お差し支えなければ、向こうで一緒にどうかと言っているんですが」
別に、そんな事は気にしない。

「構いません」
センター長は安心したように、倉橋を誘導する。

その会は先程お邪魔した部署の会議終わりの懇親会のようで、結構な人数が集まっていた。

「本社での本会議の時はもっと集まるんですけど、今日は部署会議なのでこれくらいです」
先程のセンター長が説明してくれる。

それでも結構な人数がいて、ざわざわした雰囲気だった。
身内の会なので、それぞれ思いのまま楽しそうに会話している。

その中で初めて参加する倉橋は、少しいたたまれない心地だった。

そして斜め後ろが宝条であることに倉橋は気づいたのだ。

そうか、役席だから、本社の会議にも参加するのだな、と思う。

しかし部下の相談に乗りながら、決裁もして、担当の案件も持ち会議にも参加する。
そして、仕事が終わればこのような懇親会にも参加し……仕事に対して真面目なんだなと思い、まあ、それはそうか、と感じ入る。

あの、感じだのもな……。
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