フォンダンショコラな恋人
そう耳元で囁かれて、翠咲はつい真っ赤になりこくこくと頷いてしまったのだ。

……っ!イケメン弁護士……囁くだけでエロい! んですけど‼︎



「時間をくれって、こーゆーことですか……」

その後連絡先を交換させられた翠咲は倉橋からのメールをもらい、渡真利弁護士事務所の倉橋の部屋にいた。

デスクの上は驚くほど資料や書類が積み上がっていて、倉橋はその隙間で作業している様子なのだ。
先程からその整理を翠咲は手伝っている。

「悪いな、仕事終わってから……」
「まあ、こういうのはそこそこ得意なので大丈夫ですけど」

「何となく、そんな気がしたんだ」
「倉橋先生だって得意そうなのに……」
「ちょっと案件が重なりすぎて、時間なくてな」

あ、その書類は時系列順に並べてくれと言われ、翠咲は手元の書類を見直す。

ほぼ翠咲が手を入れる必要もなく、倉橋は翠咲が思った通り書類を確認する際にも綺麗に時系列順に並べながら見ていたようだ。
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