星に愛された彼女は

「さ、さっきは…ごめんなさい。」

私にビクビクと怯えながら彼女は頭を下げた。

「なにが?自分勝手に話を進めたこと?俺の過去に土足で入ってきたこと?俺の顔目当てで気に入られようとしてからまわったこと?」

そう言うと彼女はわざとじゃなかったの…!と言って泣き始めた。

あー…鬱陶しい。

「あーはいはい…」

泣けば、謝れば許されると思ってるんだろ?こういう裏で全部考えてる女、無理。

「……分かってる、こんなの言い訳よね。」

彼女は顔を上げると私を真っ直ぐ見つめた。

「そんなに私が嫌いなら好きなだけ殴らせてあげる!」

女はバッと両手を広げてギュッと目を瞑った。

「マジで?ラッキー…じゃあ、三発ぐらい本気で殴らせてよ。」

私はベッドから下りて彼女の前に歩み進めた。

< 111 / 258 >

この作品をシェア

pagetop