星に愛された彼女は

準備室の端の方まで移動して美術室から準備室へ繋がる扉から離れる。

準備室の入り口は2つ。

1つは美術室に繋がっている扉。

2つ目は廊下からそのまま入れる扉。

始業式の日は偶然扉が開いていただけだと後から知ったので最近では廊下の窓から侵入している。

開かないことを知った怜が窓から入れないか試行錯誤したところ窓を前後に揺らしたら窓のカギがぶっ壊れた。

…まぁ、そんなことはどうでもいい

今は美術室にいる奴の動向だ

全神経を美術室にいる奴に集中させる

足音を頼りに大体の位置を把握

「A」

「了解」

さぁ、こんな時の対策Aを実行だ。

まずは私がソッと気配を消して美術室に繋がる扉の前に行く。

壁に背をつけ向こう側の部屋にバレないように静かに

扉の前に着くと怜が私に向かって細い糸を投げる。

静かに受け取ると扉の前…正確に言えば足首の高さにピンッと糸を1本伸ばして、壁にテープでしっかりと固定する。

はい、足かけトラップのできあがり…

< 156 / 258 >

この作品をシェア

pagetop