星に愛された彼女は
「取引?脅迫じゃなくて?」
バッと手を放すとナオは軽く咳き込みながらも首を横に振る。
「違う。一方的に願いを叶えてもらおうだなんて思ってないよ。」
「ふーん…じゃあ、俺の質問に答えろよ」
「もちろん」
ナオは壁に寄りかかると腕を組んで俺を見すえた。
「あの名前、どこで聞いた」
「リクトだよ。僕って体細いから力弱いしあんまりケンカ向いてないんだよね。強いけど。だから情報係みたいな?敵の情報調べるの。だから色々教えてもらえるんだよねぇ」
あの銀髪…口止めが必要だな。あの情報は黒月だけじゃない、月光にも関わる問題だ…そう簡単に言い広めていいものじゃない。
「最近、準備室に来てたのはなにか企みがあるのか?」
「ないとは言い切れないかな。隙さえあれば玲央くんと話したかったから。」
ここまでの話でナオが嘘を言っているようには感じない。