星に愛された彼女は

「聞かれたこと話したんだから今度は僕からいい?」

にっこりといつもの笑みを浮かべて聞いてくるナオに頷く。

「あのさ、僕正直情が移っちゃってさ。君たち二人を攻撃みたいなことしたくないんだよ。」

思わず目を見開いてナオを見る。

フード被ってて良かった…あからさまに表情に出しちゃったな…

「…それで?」

声色でバレないように意識しながら平然を装う。

「だから取引をしよう。僕はこれからの炎龍の情報を全て君たちに教えて君たちに害がないように全力を尽くそう。その代わりと言ってはなんだけど二人には僕が炎龍から抜ける手助けをしてほしいんだ。」

炎龍を抜ける…?

「どうして炎龍を抜けたいんだ?」

「昨日、リクトからの命令で君らを騙してでも炎龍に入れろっていう指示があった。」

やっぱり…何もないとは思ってなかったし、当然だな

「…なるほど、それで?」

「さっきも言ったとおり僕、君らを傷つけられるほど薄情な奴じゃないし。それに正直、もうあいつらと絡むのも面倒くさいんだよね」

「仲間じゃないのか?」

「好きで一緒にいるわけじゃないから」

どこか暗い表情になったナオを見てどうするべきか考える。

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