星に愛された彼女は
アオイside

キレイだと思った

いつもの美玲も格好いいし素敵だといつも思う

でも俺が選んだ服を着た美玲はすごくキレイだと思った

俺の目の前で椅子の背もたれに体を預け、スヤスヤと寝息を立てている美玲の顔を見つめる

俺も…男なんだけどな…

そう思われていないことに少し悲しみを感じる

でも仕方ないと思う

人と話すのは苦手だし、仲の良いルイやシュンたちでも、どもってしまう。

意識している人に、…話しかけれないよ

そう考えながら美玲の顔にメイクをしていく


大人っぽく、誰も簡単に近づけないくらい、戸惑うほどに、気高く、美しく仕上げたい



「できた」


目を瞑っていても美玲の美しさが際立っている

目を開けてくれないとまだ分からないけどよく出来たと思う…

気に入ってほしいな

「でき…た?」

俺の声に反応した美玲がパチリと目を開ける

あ、口紅はみ出てる

こんな凡ミスをする自分に反省しながら親指で拭う

「…ん、キレイ」

俺が着飾った美玲を誰も見せたくないな

本人には言えないような願いを心に秘めて美玲に微笑んだ


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