星に愛された彼女は
「すごいな…俺じゃないみたい」
「美玲…元が、いいから」
「そー?あんがと」
褒められて嫌な気はせず、微笑むとアオイはバッと顔を逸らす
「アオイ?」
「なんでも、な、い…」
少し髪の間から見える肌が赤かった気がした
「それ、より…行くなら、急ご」
時計を見るともうすぐ10時になりそうだ
日にちが変わる前には帰りたいし…いい時間帯かな
「だな、そんじゃありがとな」
鏡を返して席を立つ
行くなら早くしようとドアノブに手をかけた
「美玲」
「ん?」
ふわっと後ろから手が伸びてくるので思わず目を瞑る
アオイの大きな手が頬に触れた
不思議に思い目を開けてアオイを見つめる
「アオイ…?」
急なことに驚いたのか、まだ意識がハッキリしてないのか、自分でも驚くほどにか細い声が出た
アオイは私の頬を触っている反対の手で私の髪を触る
少しジッとしていると視界に黒い花が写った
「あげ、る」
少し照れながらアオイは笑う