【短】お前が誰のものか分からせてやるよ。
私が向かい側に座る友達に尋ねたら、2人は笑顔で答えた。
「うん、おかげさまで」
「いいなー、私も彼氏欲しい!」
幸せそうでなにより。ついこの間までは、「誰かいい人いない⁉」って片っ端から友達に聞きまくったり、マッチングアプリを使って必死に彼氏探してたっけ。いい人に巡り合えたんだね。
友達二人は彼氏がいて、私だけいない。口では早く欲しいと言ってるけど、内心はそうでもなかったりする。
「この間、月乃に男友達紹介したよね?」
「あー、うん。なんか性格が合わなくてさ。合コンにも何回か行ったけど、私の好みの人はいなかったな」
「まぁ、そんなに焦らなくてもそのうち出来るよ」
「そうそう」
「自分たちは彼氏いるから、余裕そうだね」
「えー、素直に応援してるじゃん」
ひととおり食事が終わり、2人がそれぞれの彼氏の話で花を咲かせている中、私は一人の男を思い浮かべていた。
……アイツ、元気にしてるかな。