【短】お前が誰のものか分からせてやるよ。
慌てて謝って席に着けば、店員こと中満瑠衣は私の動揺ぶりに小さく笑っていた。
「相変わらずすげー反応だな。元気そうで何より」
「瑠衣が驚かすからでしょ!?」
「俺は驚かしたつもりはないぞ」
「だって、ここで働いてるなんて知らなかったから……」
中満《なかみつ》瑠衣は、大学生のときに仲が良かった男友達。卒業してからは、全く会わなかったし連絡も取ってなかった。と言うより、私が接触するのを避けていたんだ。
3年ぶりに会う瑠衣は、髪型が変わって雰囲気もすっかり大人びたから、一瞬誰か分からなかった。
カッコいい見た目とは裏腹に、悪戯ばかりして人を困らせるのが好きな性格は昔のまんまだ。
私が突然現れた美形の男性店員と親しげに話しているから、友達は興味津々な様子で質問してくる。
「あの、月乃とどういう関係なんですか?」