【短】お前が誰のものか分からせてやるよ。


慌てて謝って席に着けば、店員こと中満瑠衣は私の動揺ぶりに小さく笑っていた。


「相変わらずすげー反応だな。元気そうで何より」

「瑠衣が驚かすからでしょ!?」

「俺は驚かしたつもりはないぞ」

「だって、ここで働いてるなんて知らなかったから……」


中満《なかみつ》瑠衣は、大学生のときに仲が良かった男友達。卒業してからは、全く会わなかったし連絡も取ってなかった。と言うより、私が接触するのを避けていたんだ。


3年ぶりに会う瑠衣は、髪型が変わって雰囲気もすっかり大人びたから、一瞬誰か分からなかった。


カッコいい見た目とは裏腹に、悪戯ばかりして人を困らせるのが好きな性格は昔のまんまだ。

私が突然現れた美形の男性店員と親しげに話しているから、友達は興味津々な様子で質問してくる。


「あの、月乃とどういう関係なんですか?」



< 4 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop