初めての恋
私は失恋したんだ。
そう思ったら私の足は昇降口へと駆け出していた。
「あ!帰ってきた!で、どうだった?」
昇降口につくと結愛ちゃんが食い気味に聞いてくる。
「私…失恋しちゃったみたい…」
あははと笑いながら言う。
「…裏庭ついたら、鈴村くんが告白してて、それで……」
言い終わる前に結愛ちゃんに勢いよく抱きつかれる。
「ごめん!!言わなくていいから…
そんな静かに泣かないで…声出して泣いていいから」
頬に温かい物が伝って、それが結愛ちゃんの肩に落ちた。
いつの間にか涙が出ていて…
結愛ちゃんの言葉を聞いた途端とめどなく溢れでてくる。
まともに話したこともなくて、きっと私の存在すらも覚えてない。
それでも私は彼の事が好き。
やっと前に進もうと思ったのに……
告白をする土俵にすら立てなかった。
悔しくて、悔しくて、涙が止まらない。
そんな私を結愛ちゃんは泣き止むまで抱き締めてたくさん頭を撫でてくれた。