(仮)愛人契約はじめました
「より、ラブラブに。
 どうやったらなるんだろうな」

 すると道馬は意外にもそこで考え込んだ。

 改めて聞かれてもわからない、と言う。

「いちいち、頭で考えて動いたことないからなー」

「そういえば、訊いておいてなんなんだが。
 そもそも、チャラいと評判のお前の言うことなど聞いて大丈夫なのだろうか」

「……いくら歯に衣着せぬ雪村とは言え、同期から正面切って、チャラいとか言われると、もう落ち着いてもいい年だし、不安になるな」

 二人で、うーん、と考えながら社食に入ろうとしたとき、ちょうど紗江が出てきた。

「今日の日替わり、洋食はタンシチュー。
 美味しかったよ~。

 どうしたの? 二人で渋い顔して」
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