(仮)愛人契約はじめました
「いや、どうしたら、蓮形寺とラブラブになれるのかなと」

「ははは。
 そんなこと、頭で考えてるうちはなれないよ。

 でも、最近、姫はさあ。
 前と違って、れんれんに……」

 そこで、ビクッと紗江は振り返る。

「なになになに~っ。
 れんれんが付いてくるっ。

 道馬くん、とってとってとってーっ」
と蓮太郎を虫かなにかのように言い、逃げ惑う。

 紗江の足が速くなったので、自分もさらに早足になりながら、蓮太郎は言った。

「いやいや、紗江さんがしゃべりながら行ってしまうからですよ」

 紗江はいつものように、話している途中でもう歩いていってしまっていたのだが。

 今日は気になりすぎて付いていってしまったのだ。
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