(仮)愛人契約はじめました
「雪村さんも楽しそうですよ」
と唯由は笑う。

 唯由がちょこまか部屋の中を見て回るあとを蓮太郎もずっとついてきていたからだ。

「そうだな。
 楽しそうなお前を見ているのが楽しいかな」

 いやいやいや。
 なにを言ってるんですか……と唯由は赤くなったが、蓮太郎の表情は動かない。

 ……いつものように思ったままを言っているだけのようだ。

 まあ、それはそれで照れるんですけど、と思いながら、部屋に戻った。



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