(仮)愛人契約はじめました
大浴場でそれぞれゆっくりしたあと、夕食の時間になったので、お食事処に行った。
唯由たちの夕食は幾つかある個室のうちのひとつに用意されていた。
個室だが、周りの楽しげな声も聞こえてくるので、程いい感じだ。
昼間の話と明日何処に行くかの話で、それなり盛り上がり、部屋に戻る。
途中、土産物屋で楽しげに話している若いカップルを見かけた。
つい、そのカップルを見てしまったのは、たまたま聞こえてきた地名が自分たちのところのものと似ていたからだ。
あれ? 同じところから来た人なのかな?
と唯由が思ったとき、女性の方と目が合った。
でも、訊くのも変なので、にこ、と笑うと、にこ、と向こうも笑ってくれた。