(仮)愛人契約はじめました
さて、唯由たちが泊まっている部屋は、大きなガラス張りの見晴らしのいい部屋や和室など、中でさらに幾つかの部屋に別れているのだが。
ベッドは並んでいる。
お洒落げな感じにナチュラルトーンでまとめてあって、並んでいる。
何故か他の部屋に分散させずに、一室に並んでいる。
今、唯由はあの和室の使い方を思いついた。
あれはきっと、このベッドを引きずっていくためにあったのだ。
いや、無理だ……。
せめて布団を……。
って、マットレスじゃないか。
唯由がベッドを見たまま困っていると、蓮太郎が後ろから、
「持ってきたんだろ?」
と言ってきた。
は? え?
と困り顔のまま振り返った唯由に、蓮太郎は真面目な顔で言う。
「持ってきたんだろ? ゲーム」