(仮)愛人契約はじめました



 二人で向かい合って、畳の上に置いた人生ゲームをやる。

「これ、二人でやると、ひとりが人生の勝者でひとりが敗者みたいな感じになりますね」

 蓮太郎は盤上を見たまま、
「お前と俺とで、どっちが人生の勝者で敗者ってこともないけどな」
と言う。

 ど、どういう意味なんですかねっ、と最初は気になっていたが、どちらもムキになる性格なので、いつの間にかゲームに夢中になっていた。

「てめっ、俺を5マスも戻したなっ」

「私が戻れと言ったわけではないですよ。
 このマスの指示ではないですか」

 はははは、と唯由は笑っていたが、あっという間に蓮太郎に追い抜かれ、蓮太郎は結婚することになった。

 車のコマに蓮太郎は花嫁をのせようとしてやめる。
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