(仮)愛人契約はじめました
 俯き、唯由は言った。

「あなたを好きだと、この間気づいたんです。
 でも、愛人が好きとか言ったら困りますよねって思ってたんです」

 なんでだ、と蓮太郎は言う。

「愛人だからいいだろう。

 『愛する人』なんだから」

 蓮太郎がゲーム越しに身を乗り出し、そっとキスしてきた。

「長い付き合いになるだろうから……

 今夜は無理強いはしない」

 そういうとこ、好きかな、と思いながら、唯由は涙ぐみ、

「……ありがとうございます」
と蓮太郎に礼を言った。




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