(仮)愛人契約はじめました
……が、
「無理強いしないって言いましたよねっ?」
「無理強いはしない」
「無理強いしてますよねっ?」
「無理強いはしていない。
その証拠に、お前の横に鈍器を置いている」
畳の上に組み敷かれた唯由が横を見ると、いつの間にか、床の間にあったはずの高そうな花瓶がそこにあった。
「これ以上は勘弁と思ったら、それで俺を殴れ」
「いやいやいやっ。
これで殴って割ったら、あなたが死ぬより早く、保子さんが怒鳴り込んでくる気がしますよ~っ」