(仮)愛人契約はじめました

君の名は……



「二人とも待受が猫になってるけど」

 次の日、社食で唯由は美菜にそう言われた。

「なんで二人で撮った写真とかにしないの?
 ほら、この間のタイムスリップしたみたいな写真とかあるじゃん。

 町娘とかぶき者の」

 チラ、と唯由はスマホを手に蓮太郎を見る。

 チラ、と蓮太郎もこちらを見た。

 大野さんが言うんじゃ仕方ないですね、という風を装って唯由はスマホで撮っておいたテーマパークでの写真に変えようとした。

 だが、蓮太郎はスマホの設定を変えようとはしているようなのだが。

 いつまでも写真を確認していて変える様子がない。

 何故ですかっ、雪村さんっ。
 やはり、私より、白猫ちゃんの写真の方がいいのですかっ?
と唯由は思っていたが、蓮太郎は、どの唯由も可愛いので選べないだけだった。

「そういえば、雪村。
 お前、森村裕輝(もりむら ひろき)知ってるんだって?」

 森村が言ってたと道馬が言い出す。
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