(仮)愛人契約はじめました
新しいメンバーが加わると、新しい話題が増えるので、また一から盛り上がる。
コンパは長くなりそうだった。
「よし、席替えしようっ」
と向こうの女子のひとりが手帳を破る。
番号の紙を作り、男女に分けて配った。
三番三番、と確認しながら、唯由が新たな席に座ると、横はあの帰りたそうな濃い顔のイケメンだった。
「あ、ど、どうも」
と挨拶しながら、唯由はホッとしていた。
この人もコンパ乗り気じゃなさそうだったもんね。
ゆっくりできそう。
案の定、男は無言でみんなの話を聞いていた。
女子たちは、みんな彼が気になっているようではあったのだが。
他のメンバーもイケメン揃いで高収入だったらしく。
とっつきにくい彼には、誰も積極的に話しかけてはこないようだった。
あー、なんか安心したら、お腹空いちゃった、と唯由はメニューを眺める。