辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する
ノーラと共にうろうろしていると、やっとそれらしき建物を見つけることができた。木造平屋建ての簡素な建物は、サリーシャのいたマオーニ伯爵邸の厩舎に似た構造だ。ただ、規模が違った。ざっと見ただけで、数えきれないほどの馬が繋がれている。
「まあ! 見て、ノーラ。凄いわ」
サリーシャは思わず歓声を上げた。厩舎の入り口から見えるのは馬・馬・馬。こんなにも沢山の馬を見るのは初めてだ。よく見ると、その馬はよく見る馬車に繋がれる馬と、一回り大きく足の太い馬の二種類がいるようだった。
ゆっくりと厩舎内を歩いているとき、サリーシャは一頭の馬の前で足を止めた。すべての馬が手入れが行き届いており立派なのだが、その馬は特に抜きんでていた。こげ茶色の毛並みや鬣は艶やかに輝き、体格も一際大きい。しなやかに伸びた四肢にはしっかりとついた筋肉により引き締まっており、美しいという言葉がぴったりの軍馬だ。
「とても綺麗な馬ね」
サリーシャはほうっと息を吐く。大きな瞳はその毛並みと同様に濃いこげ茶色をしており、ガラス玉のように透き通っている。
「サリーシャ?」
「まあ! 見て、ノーラ。凄いわ」
サリーシャは思わず歓声を上げた。厩舎の入り口から見えるのは馬・馬・馬。こんなにも沢山の馬を見るのは初めてだ。よく見ると、その馬はよく見る馬車に繋がれる馬と、一回り大きく足の太い馬の二種類がいるようだった。
ゆっくりと厩舎内を歩いているとき、サリーシャは一頭の馬の前で足を止めた。すべての馬が手入れが行き届いており立派なのだが、その馬は特に抜きんでていた。こげ茶色の毛並みや鬣は艶やかに輝き、体格も一際大きい。しなやかに伸びた四肢にはしっかりとついた筋肉により引き締まっており、美しいという言葉がぴったりの軍馬だ。
「とても綺麗な馬ね」
サリーシャはほうっと息を吐く。大きな瞳はその毛並みと同様に濃いこげ茶色をしており、ガラス玉のように透き通っている。
「サリーシャ?」