辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する
第二話 晩餐
■ 第二話 晩餐
サリーシャは鏡の前で自分の姿を確認した。
流れる金糸のようだと例えられる金色の髪は、簡単に結い上げて髪飾りを飾るだけで、途端に上品な夜会スタイルが出来上がる。身に着けたドレスはマオーニ伯爵邸から持参した少しだけ飾りの多いもので、Aラインのスカートは美しく裾に向かって広がっている。Vネックになった襟元から覗く首の白さと紺色のドレスは対照的でよく映えており、背中はしっかりと上まで隠れるデザインになっていた。
「おかしくないかしら?」
「とてもお綺麗です」
鏡越しにノーラに尋ねると、ノーラは口の端をしっかりと上げ、にっこりと微笑んだ。
今日の昼間、来客があったらしいことはサリーシャもその気配で気付いた。先ほどセシリオに聞いた話では、ブラウナー侯爵家のご令嬢が仕事の書類を届けに訪問したと言っていた。今夜はそのブラウナー侯爵家のご令嬢の歓迎のため、いつもよりは豪華な晩餐にすると聞いたので、少しだけ着飾ってみたのだ。
サリーシャは鏡の前で自分の姿を確認した。
流れる金糸のようだと例えられる金色の髪は、簡単に結い上げて髪飾りを飾るだけで、途端に上品な夜会スタイルが出来上がる。身に着けたドレスはマオーニ伯爵邸から持参した少しだけ飾りの多いもので、Aラインのスカートは美しく裾に向かって広がっている。Vネックになった襟元から覗く首の白さと紺色のドレスは対照的でよく映えており、背中はしっかりと上まで隠れるデザインになっていた。
「おかしくないかしら?」
「とてもお綺麗です」
鏡越しにノーラに尋ねると、ノーラは口の端をしっかりと上げ、にっこりと微笑んだ。
今日の昼間、来客があったらしいことはサリーシャもその気配で気付いた。先ほどセシリオに聞いた話では、ブラウナー侯爵家のご令嬢が仕事の書類を届けに訪問したと言っていた。今夜はそのブラウナー侯爵家のご令嬢の歓迎のため、いつもよりは豪華な晩餐にすると聞いたので、少しだけ着飾ってみたのだ。