辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する
第四話 溢れる思い
■ 第四話 溢れる思い
どこまでも抜けるような青い空、頬を撫でるのは爽やかな風。なのに、サリーシャの気分は沈んでいた。
前に目を向ければ、弾けんばかりの笑みを浮かべたマリアンネがセシリオに寄り添っており、その腕は逞しい腕に回されている。はたから三人を見れば、どう考えてもサリーシャが邪魔ものにしか見えないだろう。もしかすると、侍女だと思われているかもしれない。
「セシリオ様。わたくし、あそこのお店が見たいですわ」
甘えたような声でマリアンネが少し離れた小物屋さんを指さした。
セシリオに絡めている腕を引いたようで、セシリオもそちらの方へ足を進める。サリーシャがそちらに目を向けると、そこはちょっとした小物を売っているお店のようで、髪飾りなどのアクセサリーから小さな小物入れなど、様々なものが置かれているのがガラス越しに見えた。
サリーシャがぼんやりとその様子を眺めていると、セシリオがくるりと振り向いた。心配そうな表情でこちらを見ているので、サリーシャは大丈夫だと示すように笑顔で頷いて見せる。それでも少し眉を潜めたままこちらを見つめるセシリオを心配させないように、サリーシャは慌ててその後ろ追いかけた。
どこまでも抜けるような青い空、頬を撫でるのは爽やかな風。なのに、サリーシャの気分は沈んでいた。
前に目を向ければ、弾けんばかりの笑みを浮かべたマリアンネがセシリオに寄り添っており、その腕は逞しい腕に回されている。はたから三人を見れば、どう考えてもサリーシャが邪魔ものにしか見えないだろう。もしかすると、侍女だと思われているかもしれない。
「セシリオ様。わたくし、あそこのお店が見たいですわ」
甘えたような声でマリアンネが少し離れた小物屋さんを指さした。
セシリオに絡めている腕を引いたようで、セシリオもそちらの方へ足を進める。サリーシャがそちらに目を向けると、そこはちょっとした小物を売っているお店のようで、髪飾りなどのアクセサリーから小さな小物入れなど、様々なものが置かれているのがガラス越しに見えた。
サリーシャがぼんやりとその様子を眺めていると、セシリオがくるりと振り向いた。心配そうな表情でこちらを見ているので、サリーシャは大丈夫だと示すように笑顔で頷いて見せる。それでも少し眉を潜めたままこちらを見つめるセシリオを心配させないように、サリーシャは慌ててその後ろ追いかけた。