辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する
その途端、セシリオの表情が少し緩んだ。
「そうか。そうか……」
何度か確認するように、セシリオが小さく呟くのがサリーシャの耳に聞こえた。そして、セシリオは少し興奮気味に言葉を続けた。
「それはよかった。わざわざ辺境からここまで返事を聞きに来た甲斐があったと言うものだ。では、王室と先方には俺から報告しておこう。伝言していたとおり、一ヶ月後に迎えを寄越す。準備しておいてほしい」
「はい、かしこまりました」
「よろしくお願いしますぞ。アハマス閣下」
王室に何を報告するのだろう。先方とは一体誰を指すのか。
それに、迎えとは何の迎えだろう。
様々な疑問が頭に浮かび、話が全く見えてこないが、サリーシャはとりあえず笑顔で頷いた。マオーニ伯爵も終始笑顔で頷いているので、この反応で間違ってはいないはずだと思った。
この時は、まさか自分がこの一月後にアハマスの地に嫁ぐためにここを去ることになるとは、夢にも思っていなかったのだ。
「そうか。そうか……」
何度か確認するように、セシリオが小さく呟くのがサリーシャの耳に聞こえた。そして、セシリオは少し興奮気味に言葉を続けた。
「それはよかった。わざわざ辺境からここまで返事を聞きに来た甲斐があったと言うものだ。では、王室と先方には俺から報告しておこう。伝言していたとおり、一ヶ月後に迎えを寄越す。準備しておいてほしい」
「はい、かしこまりました」
「よろしくお願いしますぞ。アハマス閣下」
王室に何を報告するのだろう。先方とは一体誰を指すのか。
それに、迎えとは何の迎えだろう。
様々な疑問が頭に浮かび、話が全く見えてこないが、サリーシャはとりあえず笑顔で頷いた。マオーニ伯爵も終始笑顔で頷いているので、この反応で間違ってはいないはずだと思った。
この時は、まさか自分がこの一月後にアハマスの地に嫁ぐためにここを去ることになるとは、夢にも思っていなかったのだ。