辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する
その日の夕食時、サリーシャは早速ドレスのことをセシリオに切り出した。
「閣下。実は、結婚式で着るウェディングドレスなのですが……」
「ああ。今日仮縫い段階のものを見に行くと言っていたな。どうだった?」
「実は……、その……、少しデザインを変えたいのです」
優しく目を細めるセシリオに、サリーシャはおずおずとそう打ち明けた。その途端、セシリオは動きを止めてピクリと片眉を上げた。
「なに? もしや、ドレスに満足いっていないのか?」
「満足いってないといいますか、少し気になるところがありまして」
元はと言えば、完全に自分のせいだ。希望通りに作ってもらったのに満足いっていないというのは、さすがに憚られた。
カシャンっと高い音が鳴る。サリーシャはハッとして正面を見た。セシリオの皿の上にフォークが転がっている。持っていたフォークが手から抜け落ち、皿に当たって音が出たようだ。さらによく見ると、セシリオの顔は青ざめ、わなわなと震えている。
「閣下。実は、結婚式で着るウェディングドレスなのですが……」
「ああ。今日仮縫い段階のものを見に行くと言っていたな。どうだった?」
「実は……、その……、少しデザインを変えたいのです」
優しく目を細めるセシリオに、サリーシャはおずおずとそう打ち明けた。その途端、セシリオは動きを止めてピクリと片眉を上げた。
「なに? もしや、ドレスに満足いっていないのか?」
「満足いってないといいますか、少し気になるところがありまして」
元はと言えば、完全に自分のせいだ。希望通りに作ってもらったのに満足いっていないというのは、さすがに憚られた。
カシャンっと高い音が鳴る。サリーシャはハッとして正面を見た。セシリオの皿の上にフォークが転がっている。持っていたフォークが手から抜け落ち、皿に当たって音が出たようだ。さらによく見ると、セシリオの顔は青ざめ、わなわなと震えている。