辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する
「どんな本が好き?」
「お姫様が出てくるようなおとぎ話も好きですし、旅行記も好きです。あとは、冒険物語とか……」
「そうか。また後で、ゆっくり聞かせてくれ」
セシリオは口の両端を少し持ち上げると、「では、俺は仕事に行くから」と図書室をあとにしようとした。しかし、背中を見せたと思ったらすぐにこちらを振り向いた。なにかを言い忘れたのだろうかと、サリーシャは小首をかしげる。
ゆっくりとセシリオの顔が寄り、頬に柔らかな感触が触れた。
***
サリーシャは一旦自室に戻った後、侍女のノーラを連れて早速図書室に向かった。ノーラも本が好きなので、喜ぶと思ったのだ。
「まあ、まあ、まあ! 素晴らしいですわね。マオーニ伯爵邸よりも、沢山あるのではないかしら?」
「そうなのだけど、半分近くが兵法とか戦術の本なのよ。わたしたちが読むような本は、そこまで多くないわ」
「それでも十分でございます」
「そうね。沢山だわ」
「お姫様が出てくるようなおとぎ話も好きですし、旅行記も好きです。あとは、冒険物語とか……」
「そうか。また後で、ゆっくり聞かせてくれ」
セシリオは口の両端を少し持ち上げると、「では、俺は仕事に行くから」と図書室をあとにしようとした。しかし、背中を見せたと思ったらすぐにこちらを振り向いた。なにかを言い忘れたのだろうかと、サリーシャは小首をかしげる。
ゆっくりとセシリオの顔が寄り、頬に柔らかな感触が触れた。
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サリーシャは一旦自室に戻った後、侍女のノーラを連れて早速図書室に向かった。ノーラも本が好きなので、喜ぶと思ったのだ。
「まあ、まあ、まあ! 素晴らしいですわね。マオーニ伯爵邸よりも、沢山あるのではないかしら?」
「そうなのだけど、半分近くが兵法とか戦術の本なのよ。わたしたちが読むような本は、そこまで多くないわ」
「それでも十分でございます」
「そうね。沢山だわ」