私は天使に侵されている
「美麗さんって、何歳なの~?」
令子が聞いてくる。

「え?27だよ!」
「嘘!?私達と、七歳“も”差がある~(笑)!」
「う、うん…そうだね…」
含みのある令子の顔。
きっと、わざとに言っているのだろう。

「でも、見えないよな?
美麗ちゃんって、童顔?」
「え?そ、そうかな?
ハハ…喜んでいいのかな?」
健悟の言葉に、恥ずかしくなり俯いた。

「でも僕のパパとママは、20歳差があったよ!」
「へぇー、そうなんだ」
「僕と美麗は、七歳差“しか”ないもんね!」
そう言って来夢は、美麗の頭を撫でた。

「僕を妊娠するのに、9年もかかったんだって!」
「そうなんだ。きっと、大変な思いをしたんだね……お母様」
「うん、でも僕を生んですぐ死んじゃった!」
「うん…来夢も、辛い思いしたんだね……」
今度は美麗が来夢の頭を撫でた。

「だから親父さん、来夢のこと“かなり”寵愛してるもんなぁ!来夢が頼めば、何でもしてくれるもんなぁ!
スゲーよ!
欲しいものは何でも買ってくれてたし、俺も結構世話になってるし」
健悟が少し乗り出すように言った。

「小遣いも、俺達とレベルが違うもんなぁ…」
「へぇー、そうなんだぁ」
「でも今は、カード持たされてるよ。
好きに使っていいんだって!」
そう言ってブラックカードを出した。

「す、凄い…初めて見た…私」
「美麗もいる?パパに頼んであげようか?」
「へ?い、いらないよ!
ブラックカードなんて、持ってると手が震えそう…」
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