私は天使に侵されている
「あれ?健悟くんも、来夢と同じライター?」
花火に火をつけていた健悟に声をかける、美麗。

「ん?うん、そうだよ!
春作も、一緒!」
「へぇー、そうなんだぁ!」
「羨ましい(笑)?」
「え////?す、少し……////」
「フフ…美麗ちゃんって、可愛いね!
なんか、年上って感じしないなぁ(笑)」
「そうかな?
フフ…ありがとう!」

「ちょっと!!二人で何話してるの!!
健悟!その打ち上げ花火して!!」
来夢が美麗をグッと引き寄せ、健悟に見えないように抱き締めた。

「はい、はい…!」
健悟が苦笑いをしながら、去っていく。
「美麗も!!
僕に寂しい思いさせないで!!」
腕を緩めた来夢は、美麗の頬を両手で包み込んだ。

「ご、ごめんね!」
「何の話してたの!?」
「ライター、健悟くんと春作くんと三人がお揃いって聞いて羨ましいなぁって……」
「え?またヤキモチ妬いてくれてたの?」
「う…うん…ごめん……」
さすがにウザいよな…と思った美麗。
思わず、来夢から目を反らした。

「フフ…なーんだ!
ヤキモチ妬いてくれてたのかぁ!
楽しそうだったから、美麗が健悟のこと好きなったのかと思った!」
「え?そ、そんなわけ……」
「フフ…美麗、僕を見て?」
「来夢…」

「いーっぱいヤキモチ妬いて?
それで僕を安心させて?
そしてその度に僕が“大好きだよ”って抱き締めて、キスしてあげる!
それで、その後は…………フフ…」
「……//////」
来夢の綺麗な目が美麗を捕らえて離さない。
美麗は顔を真っ赤にしながら、来夢を見つめていた。

そんな二人を、令子が少し遠くから下唇を噛み締めて見ていた━━━━━━
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