私は天使に侵されている
嫉妬と邪魔者
また後日、美麗の勤めるファミレスに来夢達が来ていた。
勤務時間が終わり、美麗も来夢達の席に向かった。
「美麗~!ここ!おいで~!」
来夢が自分の横をポンポンと叩いた。
「うん」
横に座ると、来夢がぴったりくっついて自然に腰を抱いてきた。

「…………そう言えば、モデルの件考えてくれた?」
令子が来夢に声をかける。

「あーそれ、やだ!」
「お願い!来夢しかいないの!」
来夢の横に座り、手を合わせて懇願する令子。

「来夢、モデルって何?」
「美麗さんには、関係ありません!」
「あ……ご、ごめんね!」
令子に鋭く睨まれ、思わず小さくなる美麗。

━━━━━━!!!!
場が凍った。

「令子、美麗ちゃんにそんな言い方…」
健悟が令子に言う。

「令子」
「来夢…
━━━━━!!!!」
来夢のいつもの声、トーン。
なのに………
雰囲気が、黒く……闇に落ちたかのように染まった。

「令子、帰って」
「え……来夢、ごめんね!」
令子からすれば、嫉妬故の無意識の言動。
慌てて謝る、令子。

「帰って。
二度と僕の前に現れないで」
「え……」
令子の目が潤み出す。
「それに、いい加減…邪魔!」
「そんな…」
そして令子は、涙を溢れさせた。
「言ってる意味わかるよね?
大学でも一切、僕に関わらないで」

来夢はいたって冷静で、言葉も声もトーンも普通である。
でも身体を包む雰囲気だけは黒く染まり、令子に完全な嫌悪と拒否を示していた。

「来夢、令子ちゃんにそこまで言わなくても……
私、大丈夫だよ!
ほ、ほら!令子ちゃんの言う通り、私には関係ないことだし!」
気が小さく、引っ込み思案な美麗にとってこの状況は、耐え難い。
慌てて、フォローする。

「早く」
「来夢、ごめんね!許して」
令子は涙を流し、懇願する。
「あと、五秒…」
「え?」
「5、4、3…2」
「来夢、ゆる━━━━」
ガン━━━━━━!!!

━━━━━!!!!
来夢は令子の後頭部を持ち、テーブルに押さえつけていた。
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