私は天使に侵されている
「春作!!ダメだ、やめろ!!」
慌てて健悟が春作を止めに入る。

「うるさい!!なんで…令子を……!!」
凄い剣幕で、来夢に凄む春作。
来夢は特に何の反応も示さず、春作を見据えている。

「マジで、やめろって!!
逆にお前が殺られるぞ!!
早く、離せ!!」
春作を羽交い締めにして、離そうとする健悟。

「来夢、答えろよ!?なんで、令子を……
俺達四人、親友同士だったじゃねぇか!!」

春作は、令子に惚れていた。
でも令子は来夢がずっと好きだったので、気持ちを押し殺していたのだ。
来夢が美麗を付き合うようになってから、春作は令子を慰めたりしていた。
恋人にはなれなくても、親友としてずっと付き合っていこうと話していた矢先だったのだ。

「令子が、どっかの汚ない男達をつかって僕の美麗を犯したからだよ」
「え……まさか…」
「マジかよ……!来夢」
春作と健悟が、またフリーズする。

「しかも令子は自分の手は汚さず、男達に美麗を犯させて高みの見物してたんだから!
卑怯だと思わない?
だから、排除したの。
許せるわけがない!
そうでしょ?」
「…………」
春作がゆっくり掴んでいた胸ぐらを離した。

「あとさぁ、令子は僕の親友なんかじゃないよ?
令子はいつだって、僕を利用してた」
「「え……?」」
「二人だって、気づいてたんでしょ?
令子が僕の彼女って嘘ついて、女王様にみたいに振る舞ってたこと」
「それは……」
「でも!令子はただ、純粋に来夢が好きだっただけで……」
黙る健悟と、懸命に弁解する春作。

「純粋?どの辺が?」
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