私は天使に侵されている
「どうして?
美麗が僕との約束を破ったからだよ!
それに!
美麗を失わない為なら“何でも”する、一切手段は選ばないって言ったよね?」

「でもこんなこと……お客さんや従業員が怪我でもしたら…来夢達だって!
それに、お店もぐちゃぐちゃ…」
「大丈夫だよ!
人には絶対当たらないようにしたし、健悟達もそんな運転下手じゃないから!」
「そうゆう問題じゃ……」

こんなことをしておいて来夢は至って冷静で、尚且ついつもと変わらない可愛らしい雰囲気を醸し出している。

「早く!帰ろ?」
「………」
「言っておくけど!僕、怒ってるんだからね!
約束破るなんて、あり得ないよ!
美麗が“お願い”って言うから、せっかく必死に“我慢”したのにぃ!!」
「来夢…」
「ん?」
「もう…こんなの嫌━━━━━」

「まさか!
別れるなんて言わないよね?」
「え……」
「次は何を壊されたい?」
「え…?来…夢…?」
「例えばぁー
……………コイツとか?」
そう言うや否や、鳥部の胸ぐらに掴みかかった来夢。

「うがっ!!!」
「━━━━━!!!!来夢!!やめて!!」
物凄い力だ。
片手で鳥部の胸ぐらを掴み、持ち上げている。
ガッチリした体型の鳥部を片手で!!!

【来夢ってあんな可愛い顔して破壊的に強いよ】
また、健悟の言葉が蘇る。

「見てー、首が絞まってくよ!
苦しそう~!」
「くはぁ…あが……」
なんて冷酷な人なのだろう。
こんな残酷な行為を、とても楽しそうに言う。

「美麗~ほら、もう少しでコイツも地獄行き~♪」

「お願い!!やめて!!!
鳥部さんを、殺さないで!!?
なんでもするから!!」
< 62 / 66 >

この作品をシェア

pagetop