私は天使に侵されている
「健悟くん…」
健悟の真っ直ぐな視線。

初めて逢った時の、来夢のように綺麗だ。

“僕、美麗に一目惚れしたの!
僕の恋人になって!”
こんな時でも、来夢のことを思い出している美麗。

「美麗ちゃん!行こ!」
美麗の手を掴む健悟。

美麗はその健悟の手を優しく掴んで離した。
「ごめんね。私、来夢のことを愛してるの。
だから行けない。
いや……行かない!」
「美麗ちゃん……」
「早く帰って?
来夢が気づく前に……」
そして健悟の胸をグッと押した。

「美麗…ちゃ…」
「さようなら……」
そう言って、ドアを閉めたのだった。


それから二時間後、来夢が帰ってきた。
来夢がドアを開けると、抱きついた美麗。
「ただい━━━うわっ!美麗!?
びっくりしたぁーー!」

「来夢、来夢、来夢!
大好き!大好きなの!」

「うん!僕も大好き!」
美麗を抱き止め、抱き締め返した来夢。
美麗の肩に顔を埋めた。

「来夢、愛し合おう……!」
「フフ……今日の美麗、いつにも増して可愛い~!
いいよ!愛し合おうね!」
来夢が美麗を抱き上げ、寝室に向かった。

ベットに下ろされ、組み敷かれる。
「美麗…綺麗……」
「来夢こそ……」
「可愛い…大好きだよ…!」
「来夢」
「ん?」
「私も…」
「うん」
「来夢がいれば、何もいらない…!」

「うん!絶対、何があっても……放さないよ!」



二人は愛し合い、果てた。


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