無彩色なキミに恋をして。

元宮さんの口から全てを話してくれた。
わたしが2人が会っているところを見掛けた
あの日の真実を。


何度か会社の外まで来ていた元宮さんの事は
実は燈冴くんも気付いていたらしく
自らエントランスに招き入れた。


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「真白さん、私と会ってくれる気になったんですね!とても嬉しいですッ」

「こう何度も来られては迷惑ですから。
 それに…
 貴女には1つお尋ねしたい事もありましたので…」

「な、なんでしょう?」

「緋奈星さまに、何を吹き込んだのですか」

「…と言いますと?」

「貴女と別れてから彼女の様子がおかしいんです。
 思いつめたように食事もほとんど召し上がりません。
 《《貴女なら何か》》ご存じかと。」
 
「…いえ、私は何も。
 本人がご自分で気付いたのではないでしょうか」

「気付く…とは。」

「もう…貴方の事が必要ないのだと」

「それはどういう意味でしょうか」

「”社長令嬢だからいつまでも執事がいる。
 その環境がおかしいんじゃないか”と…
 子供じゃないんだから、いいかげん離れたいって。」

「緋奈星さまがそう仰ったんですか?」

「…はい」

「…そうですか」


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「そんな…」

サーっと血の気が引く――

そこまで聞き終えたわたしは
あまりの衝撃からショックが大きかった。


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