無彩色なキミに恋をして。

そんな恥ずかしいこと
本当は絶対言いたくないけれど
素直に言わないと燈冴くんは納得してくれない。
それに変な誤解もしてほしくなかったから言ったのに――――

「緋奈星さま…それは、ダメです…」

顔を背けられてしまった。

怒らせちゃった…
それもそうだ。
せっかく燈冴くんがあんなに気持ちを込めてプレゼントしてくれたのに、わたしは…

「ごめん…なさい。
 で、でも本当にイヤとかじゃなかったの!
 嬉しかった!
 そしたらもっと逢いたくなって…寂しくて…
 たくさん涙が―――」

言い掛けて突然、フワッと抱きしめられた。

「燈冴くん…?」

「そうやって…」

「え…?」

「…俺を煽らないでください」

背中越しに聞こえる悩まし気な声に
抱きしめる力が更に強くなったのがわかる。

「あお…る?」

どういう意味?
どうしてそんなに何かに必死になっているの…?

抱きしめられているせいで燈冴くんの感情が見えなくて、わからないままその背中に手を伸ばそうとすると、彼はゆっくりと体を離してわたしに言う。

「すみません…いきなり…」

「え、ううん…」

我に返ったみたいに急に現実に引き返された気分。
それでも燈冴くん、複雑な顔をしている…

「今そのプレゼントはどちらに?」

「部屋…だけど?」

「そう…ですか」





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